「建築物衛生管理に関する検討会」の報告書を公表(厚生労働省)
厚生労働省の「建築物衛生管理に関する検討会」(座長:倉渕 隆、東京理科大学工学部建築学科教授)は、このほど建築物環境衛生管理技術者の兼任要件の見直し等についての検討結果を報告書として取りまとめ、公表しました。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)では、特定建築物の所有者等に対して、建築物環境衛生管理基準に従って維持管理をすることを義務づけ、建築物環境衛生管理技術者を選任し、その維持管理を監督させること等を規定しています。
近年、建築衛生設備・機器に関するICTが目覚ましく進展し、また国際機関における室内空気質ガイドライン等が見直されている状況等を踏まえ、建築物衛生の有識者により構成される検討会が6回にわたり検討を行ってきたものです。
厚生労働省はこの報告書を踏まえ、今後、政省令改正等を行う予定としています。
【報告書のポイント】
1 建築物環境衛生管理技術者の兼任要件の見直しについて
建築衛生設備・機器に関するICTの進展等を踏まえ、一人の建築物環境衛生管理技術者(管理技術者)は、同時に複数の特定建築物を兼任できないという原則及び例外的に兼任できる条件・上限数は廃止し、特定建築物所有者等と管理技術者との合意があれば、複数の特定建築物の管理技術者を兼任可能とする。
2 建築物環境衛生管理基準の見直しについて
国際機関における室内空気質ガイドライン等を踏まえ、一酸化炭素の含有率及び温度の基準値を以下のとおり見直す。
〇一酸化炭素の含有率の基準について、現行の「100万分の10以下」を「100万分の6以下」に見直すとともに、大気中の一酸化炭素濃度が高い場合の特例を廃止する。
〇温度の低温側の基準について、現行の「17度」から「18度」に見直す。
3 特定建築物の要件について
延べ面積が2,000㎡以上3,000㎡未満の建築物に対し、直ちに特定建築物と同等の維持管理を一律に義務付けるのでなく、建築物の用途の種別によるリスクの内容や度合いに応じた建築物所有者等による維持管理の促進等について、引き続き検討する。
【報告書】
・(別添1)報告書(全文)(PDF:2.6MB)
・(別添2)報告書(概要)(PDF:1.3MB)
・(別添3)参照条文(PDF:220KB)
■出展・詳細
厚生労働省:「建築物衛生管理に関する検討会」の報告書を公表します